賃貸と持ち家、どちらが得?後悔しない住まい選びの考え方

/ 5段階評価中

温かい飲み物が恋しくなる季節。そんなある日、「家を買うべきか、賃貸のままでいるべきか」という悩みを抱える友人の相談を受けました。これは多くの人が一度は考えるテーマでしょう。

賃貸と持ち家、どちらがお得なのか?

家を購入するか、賃貸を続けるか。この問いの答えは一概には言えません。金銭的な面だけを見れば、ほとんどのケースで「持ち家は損になる」と言われます。しかし、そこには感情的な価値や安心感など、数字では測れない部分も含まれています。

なぜ家に住むのかを明確にする

そもそも、なぜ家を持ちたいのか。広い家で快適に暮らしたい、子どもをのびのび育てたい、庭のある暮らしをしたい――理由は人それぞれです。生きていくためだけであれば、最も安い家で十分です。しかし、多くの人は「より豊かに暮らしたい」という思いで住まいを選びます。つまり、家は単なる「住む場所」ではなく、心の満足を得るための手段でもあるのです。

損得で見ると、持ち家は不利になることが多い

数字の面から見ると、持ち家には多くのリスクがあります。特に資産価値の下落、維持費、ローン返済リスク、金利変動リスクなどが挙げられます。

  • 資産価値の下落:日本では人口減少により住宅需要が減り、多くの住宅が値下がり傾向にあります。
  • 維持費の負担:ローンを完済しても、固定資産税や修繕費、管理費などがかかり続けます。
  • ローン・金利のリスク:収入減や金利上昇により、返済が困難になる可能性もあります。
  • 災害や設備不良のリスク:自然災害や建築不良など、想定外の出費が発生することもあります。

賃貸のメリット

賃貸の利点は柔軟性にあります。転勤や家族構成の変化にも対応しやすく、設備の維持や固定資産税の負担もありません。また、老後も家が余る時代に突入しており、「住む場所がなくなる」という心配は減りつつあります。

資産としての家は「買値」ではなく「売値」で決まる

家を「資産」と考えるなら、重要なのは購入価格ではなく「将来いくらで売れるか」です。購入直後に2〜3割価格が下がるのは一般的で、特に新築物件では販売会社の利益分が価格に上乗せされています。ほとんどの住宅は購入価格を上回って売れることは稀であり、結果として負債になるケースが多いのです。

ライフプランに合わせた選択を

もちろん、すべての持ち家が悪いというわけではありません。家族との思い出を築く場としての価値や、安心感を求める気持ちは数字では測れない大切なものです。重要なのは、お金の損得と感情の満足を切り分けて考えることです。

もし経済的に余裕があり、好きな場所で理想の暮らしを実現したいなら、持ち家を選ぶのも良いでしょう。一方で、変化に柔軟に対応したい人や、将来の不確実性に備えたい人には賃貸が向いています。

まとめ:大切なのは「どちらを選ぶか」より「どう生きたいか」

賃貸と持ち家、どちらが得かは「人による」が結論です。金銭的なメリットを重視するのか、心の豊かさを求めるのか。それぞれの価値観に正解・不正解はありません。

ただし、持ち家には多くのリスクがあり、感情だけで購入すると後悔する可能性もあります。数字と感情を分けて考え、自分の理想の暮らしに最も合う選択をすることが何より大切です。

最終的には、「お金に縛られず、自分の望む生き方を実現すること」。そのための住まい選びこそが、本当の意味での「豊かさ」につながるのではないでしょうか。