国内MMFが9年ぶりに復活する背景
国内のマネー・マーケット・ファンド(MMF)が、約9年ぶりに復活する見通しとなっています。これは、金利上昇によって短期金融商品の利回りが改善し、MMFが再び商品として成立する環境が整ってきたためです。
結論として、これは良いニュースであり、円を安全性の高い形で運用する選択肢が増えることにつながります。
MMFとは何か
MMF(マネー・マーケット・ファンド)は、以下のような特徴を持つ金融商品です。
- 元本保証はないものの、リスクは極めて低い
- 預金よりも高い利回りを期待できる
- 国債・地方債・社債・短期金融商品など、安全性の高い商品に投資する
- 株式のようなリスク資産は組み入れない
いわば「安全性の高い短期運用商品を詰め合わせたセット」のようなイメージです。
MMFと預金の違い
MMFと預金を比較すると次のようになります。
元本保証
- MMF:元本保証なし(ただし極めて低リスク)
- 預金:元本保証あり
コスト
- MMFは信託報酬がかかる
- 短期解約時に信託財産留保額(解約手数料のようなもの)が発生することがある
- 預金は通常コストなし
流動性
- どちらも基本的にいつでも引き出し可能
税金
- どちらも利息・収益に約20%の税金がかかる
利回り
- MMF:預金より高い利回りが期待できる
- 預金:低い利回り
まとめると、MMFは「預金より高い利回りを得るために、わずかなコストと非常に小さいリスクを許容する商品」です。
MMFが姿を消していた理由
かつてMMFは人気商品で、運用総額が20兆円を超えた時期もありました。しかし、長期間続いた超低金利によって十分な利回りが確保できず、販売停止へと追い込まれました。
最近は金利が緩やかに上昇しており、金融機関が再びMMFの商品化を検討しています。早ければ2026年前半から販売が再開される見込みとされています。
今後の選択肢としてのMMF
これまで、円の安全資産として一般的だったのは「預金」か「個人向け国債」でした。MMFが復活することで、もう1つの選択肢が増えることになります。
すぐに購入できるわけではありませんが、低リスクで預金以上の利回りを狙える商品が出てくることは、資産形成を考えるうえでプラスに働くでしょう。
まとめ
国内MMFが約9年ぶりに復活する見通しです。預金以上の利回りを狙える低リスク資産として、今後の資産運用に役立つ可能性があります。販売開始時期や詳細が発表され次第、選択肢として検討してみる価値があるでしょう。
