急増する海外発の詐欺電話
近年、海外から発信される詐欺電話が急増しています。捜査機関の発表によれば、特殊詐欺に使用された電話番号のうち、国際電話番号が占める割合は7割を超えているとされています。手口は多様化しており、一般の利用者が見分けるのはますます困難になってきました。
代表的な海外発の詐欺手口
海外番号を利用した詐欺電話には、さまざまなパターンがあります。主な手口は以下のとおりです。
- 国際ワン切り詐欺:短時間だけ着信を残し、折り返し電話をさせて高額な通話料を請求する手口。
- 架空請求詐欺:未払い料金やサービス停止を装って、金銭を振り込ませるよう誘導する手法。
- 偽の公的機関を名乗る詐欺:海外番号から警察や行政機関を名乗り、個人情報や金銭をだまし取る。
- サポート詐欺:ウイルス感染などの虚偽メッセージを表示し、海外番号へ電話させて費用を請求する。
- 自動音声詐欺:国際番号から自動音声で「認証が必要」「サービス停止」といった内容を流し、不安をあおって金銭や情報を入力させる。
海外発の電話をブロックする重要性
これらの手口は巧妙であり、詐欺かどうかを判断するには専門知識が必要なケースもあります。最も効果的な対策は、そもそも海外からの不要な電話を受けないようにすることです。
海外とやり取りする特別な事情がない限り、多くの人にとって海外番号からの通話は不要です。友人や家族が海外在住の場合も、通話アプリを利用することが一般的になっており、通常の国際電話を受ける機会はほとんどありません。
詐欺電話を見分けるのではなく、「そもそも届かない状態をつくる」ことが最も効果的な防御になります。
スマートフォンでの迷惑電話対策
スマートフォンの場合、迷惑電話を判定・ブロックしてくれるアプリを利用する方法が有効です。これらのアプリでは、着信時に相手番号の情報が表示され、迷惑電話の可能性が高い場合には警告が出ます。
アプリによっては「海外番号」「迷惑」「危険」などのタグが表示されるため、詐欺の可能性を直感的に判断できます。スマホを利用している人は、これらの機能を活用してリスクを大幅に下げることができます。
固定電話での海外番号の遮断方法
固定電話は特に高齢者の家庭で利用されることが多く、詐欺グループから狙われやすい傾向があります。判断力が落ちた高齢者が被害に遭ってしまうケースは少なくありません。
スマートフォンと違い、固定電話では海外番号を手動でブロックするのが難しいため、専用の受付窓口に申請し、海外発信の電話を一括で遮断することが推奨されています。これにより、海外番号からの通話が一切届かなくなります。
固定電話を解約できない事情がある家庭にとって、この方法は非常に有効です。特に高齢の家族がいる場合、被害を未然に防ぐためにも早めに設定しておくことが望ましいでしょう。
詐欺は日々進化するため「近づかせない対策」が重要
詐欺の手口は日々進化しており、どれだけ注意していても不意を突かれてしまうことがあります。ITリテラシーが高い人でも、フィッシング詐欺やなりすまし詐欺に遭うことは珍しくありません。
大切なのは、「見分ける力」ではなく「近づかせない環境」をつくることです。電話だけでなく、詐欺的な広告や不審な商品の誘導なども含め、そもそも触れない状態にすることが最も安全です。
広告を遮断するサービスや、迷惑メールフィルターが強力なメールサービスを使用するなど、複数の対策を組み合わせることで、詐欺のリスクを大きく減らすことができます。
まとめ:海外発の詐欺電話は「受けない」ことが最善の防御
海外番号を使った詐欺電話は増加し続けており、多くの人がターゲットになっています。最も効果的な対策は、不要な海外番号からの電話を遮断し、詐欺が近づけない環境を整えることです。
スマートフォンでは迷惑電話対策アプリの活用を、固定電話では海外番号の一括遮断を利用することで、日常生活の安全性を大きく高めることができます。
詐欺は常に進化しています。自身や家族を守るためにも、日常的に対策をアップデートしていきましょう。
