国内MMFが9年ぶりに復活:低リスクで預金より高い利回りを狙える新しい選択肢

/ 5段階評価中

国内MMFが9年ぶりに復活

国内のマネーマーケットファンド(MMF)が、およそ9年ぶりに販売再開される見通しとなりました。金利上昇により、個人が円資産を運用する新たな選択肢として期待されています。

MMFとは何か

マネーマーケットファンド(MMF)は、元本保証こそないものの、極めてリスクの低い金融商品として知られています。安全性の高い国債や地方債、短期の金融商品などを中心に運用され、預金よりも高い利回りを期待できる点が特徴です。

かつては預金より約0.3%ほど利回りが高かった時期もあり、低リスク資産として個人投資家の人気を集めていました。

MMFの投資対象

MMFが投資する主な対象は以下のとおりです。

  • 国債
  • 地方債
  • 社債
  • 短期金融商品

株式のような値動きの大きい資産は組み入れられないため、「超安全タイプのお弁当パック」といったイメージが近いでしょう。

なぜMMFが復活するのか

日本では長く低金利が続いていたため、MMFで運用しても十分な利回りが得られない状況が続いていました。しかし近年、国内金利が上昇し始めたことで、MMFの運用が再び成り立つ環境が戻りつつあります。

その結果、複数の金融機関がMMFの商品化を検討し、早ければ2026年前半から販売が再開される見込みです。

MMFと預金の違い

MMFと預金の特徴を比較すると、次のようなポイントがあります。

  • 元本保証:預金は保証あり。MMFは保証なし。
  • コスト:MMFは信託報酬や解約時のコストが発生する場合がある。
  • 流動性:どちらも高く、基本的にいつでも引き出し可能。
  • 税金:利息や運用益には20.315%の税金がかかる。
  • 利回り:MMFのほうが預金より高い傾向。

MMFは「低リスクで預金より少し高い利回りを狙える」点が最大の魅力である一方、預金の完全上位互換にはならないという基本原則があります。高い利回りを得るには常に何らかのリスクやコストが存在するためです。

MMFの歴史と運用残高の推移

MMFは1990年代後半から2000年代初頭にかけて大きく普及し、運用残高はピーク時に20兆円を超えていました。しかし、金利が低下するにつれて運用環境が悪化し、資金は徐々に減少。特に2016年のゼロ金利政策でMMFの利回りはほとんど得られなくなり、多くの金融機関が販売を停止することになりました。

近年、国内の金利が上昇基調となったことで、MMFを再び提供できる環境が整いつつあり、販売再開の動きが進んでいます。

MMFが増えることで広がる選択肢

一般的に、個人が円資産を安全に運用する場合、これまでは預金か、もしくは個人向けの国債が主な選択肢でした。MMFが復活すれば、低リスクで利回りを得られる金融商品の幅が広がり、より柔軟に資産を管理できるようになります。

特に「預金より少しでも良い利回りを得たい」「大きなリスクは取りたくない」という人にとっては、有力な候補となるでしょう。

まとめ:MMF復活は低リスク運用の追い風

今回は、国内MMFが約9年ぶりに復活するというニュースについて解説しました。金利上昇を背景に、MMFは低リスク資産のひとつとして再び魅力を持ち始めています。

預金よりも少し高い利回りを狙いたい人にとって、MMFは検討の価値がある選択肢です。安全性と利便性のバランスを取りながら、状況に応じた資産運用を行うための一助となるでしょう。